月刊プレイボーイ日本版
インタビュー
────────

■ vol.7 ■
(PB)
一度も風俗で遊ばなかったと言う事ですが、プライベートではどうだったんですか?
(監督)
不倫と、浮気と、遊びはなかったですね。ただ恋愛はさせてもらいました。お恥ずかしい話ですが、この歳になって人生二度目のドキドキ体験をさせてもらいました。中国から来た留学生で、あたしのアシスタントをしてくれていた子なんです。毎週ロケに行く訳でしょう。ロケバスに乗ってその子と目が合うだけで心臓がドキドキするんですよ。あんな嬉しかった事はなかったですね。
(PB)
いいのですか?そんな告白されて?
(監督)
番組も終わったし、もう時間が経っていますしね。それに、プラトニックな関係で終わりましたから。あたしは一度目の恋愛相手と結婚しまして、それからずっとそういうことはなかったんです。その相手とどう発展したとしても、二者択一を迫られるわけでしょう。これも愛、あれも愛なんてわけにはいかないですよ。不倫をしている男たちに聞くと、ほとんどが両方をちゃんと守っていけると一瞬思うらしいんですけど、そんな事ない訳で。月日が経っていますもんね。我が妻とは。そこはやっぱり、ブレーキは踏みますよ。このブレーキを踏めないヤツは、やはり無能で無知だと思いますね。知性というのはそういう時のためにあるんじゃないですか。神様がいらっしゃるとすれば、その恋は認めてくれると思いますよ。
(PB)
聖書には姦淫するなかれとは書いてあるけど、恋愛するなとは書いてありませんからね。ドキドキはしても、それ以上踏み込まなければ害はないでしょう。
(監督)
そうでしょう。あたしは中学生ぐらいの子に平気で話せる大人でありたいと思う。「おじさんはカミさんも子供もいるけど、この間、恋をしてね」って言える、そういう大人でありたいと思いますね。こういうときめきというのは奥様にもあるし、旦那衆にもあるし、小学校の子にもきっとあるんじゃないかな。たとえば小学生に「どうしてなの?このドキドキは?」って質問されたら、ちゃんと答えられる親であって欲しいし、また、そういう会話のある家庭であって欲しいですね。そうすれば怖くないですよ。世の中にどんな特殊な人たちや、刺激の強いエロが氾濫しようと、何にも恐るるに足らないですよ。 (PB)
そのためにもブレーキを踏む知性が必要ですよね。
(監督)
あたしにそれを教えてくれたのも映画ですよ。映画ってムービーって言うじゃないですか。心がムーブされるからムービーなんですよね。映画は感動するものなんです。または、させるものなんですね。それが自分の人生の横にいつもあって、ほとんどこれで学んでいたようなものですから。映画には恋を諦めるというものもあれば、成就するものもあるし、死と言う悲劇的な結末を迎えるものもある。色んなパターンを学ぶ事が出来たんですね。そんなもんが土台になっているんだと思いますよ。
(PB)
月並みですが、これまでに一番感動された映画は?
(監督)
「野菊の如き君なりき」です。木下恵介監督の作品ですが、あたしはこれを中学生の時に見て嗚咽しました。ここまで心を動かす映画というのは凄いと思いましたよ。だから高校生の時、本当に少年の勘で、映画の道に進みたいという人生最初の決断をしたっていう自分を褒めてやりたいですね。それが全ての始まりだったわけですから。歳月というのはただ流れ過ぎていくんじゃなくて、必ず重なっていくものです。あたしはあたしなりに、ある積み重ねが時の流れとともに出来たと思うんですよ。それを今の若い人達、とくに中学生や小学生に還元できればと思っているんです。
(PB)
ますますのご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。

vol.6にもどる
────────
[TOPへ]
────────
COPYRIGHT(C)2007
Rank10 Project.