月刊プレイボーイ日本版
インタビュー
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■ vol.2 ■
(PB)
ご自分で21年間も続けられた秘訣はなんだと思います?
(監督)
風俗レポーターと言うのは昔はいっぱいいたんですけど、次々に消えていったんですよ。業者からお車代と称する謝礼を貰ったり、色んな形で業界に包み込まれてしちゃう訳ですね。自分を律するってぇ言うのは変な話だけど、そういうもんはちゃんとしていないと、この仕事はやっちゃいかんのじゃないかと言うのが最初からありましてた。ですから、ぶっちゃけた話、一度も風俗で遊んでません。この21年間、まるで禅寺にいるような毎日でしたね。
(PB)
映画の世界でも同じだったんですか?
(監督)
ええ、ストイックでした。昔、芽が出ない女優とかエキストラを抱えるプロダクションの社長が、所属する女の子達のプロフィールを見せながら、「この中で、プライベートで気に入った子は?」って言ってきた事がありまして、それに無性に腹が立ったんですね。で、チーフ助監督に相談したんですよ。「そんな事していいんですか?」って。そしたら、「もしあなたが監督になって失敗するとすれば、作品ではなく女で失敗する事だって十分ある。僕は今までいっぱいそういう例を見てきた」って言うんです。一瞬ドキッとしましたね。だから、映画側の世界でも、女優と寝たという体験はないんです。250本余り撮ってますけど、一度もないですね。そんなストイックな人間が、何故かポルノ映画という、世間から後ろ指さされるような世界を20年近く、延々と泳いできたんですからね。
(PB)
ずっと性にかかわってきた原動力というのは?
(監督)
ポルノ映画も「トゥナイト」も同じですけど、やっぱり好奇心でしょう。生理学者が言うには女性の欠陥誕生が男なんですね。種というのは、妊娠してからほとんどはメスに向って進化するんですよ。で、雌雄の決定の時にXY染色体という遺伝子がつくと男になる。だから、女はXXで男はXY。XYの方に生まれたあたしですから、XXに対する生涯の謎がある訳でして。お医者さんごっこから始まって、それこそ公序良俗の矢をブスブス背中に浴びながらストリップに通ったり、どうしようもない好奇心がズ−ッとある訳です。
(PB)
男には女というものがいつまで経ってもわからない。XYの宿命でしょうか?
(監督)
イリオモテヤマネコを発見した戸川幸夫さんという動物学者が「人はなぜ助平になったか」って本を書いているんです。たとえば、イタチなんかは陰茎骨が今だチャンとありますから、絶対にインポにはならない。一方ヒトの雄は、100万年から200万年前に大脳が発達して頭の中でエッチなものを妄想するようになった時から、ペニスにあった陰茎骨が退化しちゃったと。つまり、100万年から200万年にかけて、男と言うのは助平と引き換えに骨無しになったと言う話なんですよ。だから人間が人間らしくなった最初は助平が素なんですね。
(PB)
ということは、性に対しての妄想力が萎えてしまったらかなりヤバイ?
(監督)
ヤバイ。もう人間でなくなるという。ところが今や妄想力は欠如しましたね。ただ男が抜けばいいという、そういう形で性があるわけですから。今の若い人が、これで育っていっちゃうと非常に妙な事になってしまうんじゃないかと言う危惧はあります。そういう意味で「トゥナイト」が終わった最大の弊害は、日本の男の子の性的パワーがまた落ちるんじゃないかと。あたしはあえてポルノグラフティー有効論は言いませんが。「性文化」といわれるところまできたんじゃないかと。マスコミも表現者も、これを押し殺してはまずいだろうと言うのがあたしの考え方ですね。

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